国登録有形文化財「佐世保市民文化ホール」
(旧海軍佐世保鎮守府凱旋記念館)

佐世保市民文化ホールは、第一次世界大戦での佐世保鎮守府所属艦艇の活躍を称え、凱旋記念館として大正12年(1923)に開館しました。
戦後は、米軍に接収され、ダンスホール、映画館として使用されていましたが、昭和52年(1977)日本に返還され、昭和57年(1982)に国から佐世保市に譲渡された後、文化施設として整備が行われ、現在に至るまで市民の文化活動の場として親しまれています。平成9年(1997)には、佐世保市街地に残る近代建築遺構として評価を受け、国の有形文化財として登録されました。また、平成28年(2016)には、佐世保を含む鎮守府のストーリーが日本遺産に認定され、市民文化ホールはその構成施設の一つとなっています。建物1階には、スタインウェイのフルコンサートグランドピアノを備えたホール、2階には2つの会議室があり、日本遺産関連の資料と駆逐艦雪風の模型も展示されています。文化財でありながら施設を利用することもできる貴重な建造物です。施設の見学は無料ですので、ぜひ一度足をお運びください。

改修工事について

佐世保市民文化ホールを健全に保ち、文化施設として活用しながら、文化財として後世に引き継ぐため、国の協力を得て、構造補強を中心とした改修工事を実施しました。事業費は4億6千9百万円、期間は平成26年(2014)3月から平成27年(2015)11月まででした。改修工事では、耐震のため、鉄骨等による補強を行い、コンクリート壁を増やしました。大改修でしたが、創建当時の天井など、後世に残すべき部分は出来るだけ保存してありま す。また、歴史ある建物の雰囲気を損なわないことにも重点をおき、外壁に色を加える再塗装はしませんでした。さらに、これまで見ることができなかった創建当時のステージなども一部見学ができるようになっています。
文化財建造物でありながら、貸ホ ールとして利用できる貴重な建造物です。大切にご活用ください。

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改修後の外観(平成28年)
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改修前の外観(平成17年)
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創建当時の外観(大正12年頃)
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改修後の内部(平成28年)
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改修前の内部(平成17年)